美術
最近発売された『ユリイカ 2021年1月号』「特集=ぬいぐるみの世界」を読んでいて、そういえばぬいぐるみについてよく考えていた時期があったなと思い(具体的には今年の3月くらい)、その頃に書いた作品体験レポのようなものを再掲します。 *** ぬいぐる…
書評:「カウンターカルチャーのその後について」──Andrew Blauvelt "Hippie Modernism: The Struggle for Utopia" (Walker Art Center, 2015) * Hippie Modernism : 異なる価値観の緊張関係 本書は2015年にウォーカー・アートセンターで開催された同名の展…
Aマッソの加納愛子さんが『イルカも泳ぐわい。』という初のエッセイ集を出した。単独ライブに行くくらいAマッソのファンなので、「webちくま」での連載時から単行本になるのを楽しみにしていたので発売日に買って読み切り、期待を超える面白さだった。岸本佐…
書評:「文化的芸術への侵入言論」──ジャン・デュビュッフェ『文化は人を窒息させる』(人文書院, 2020) * アール・ブリュットという「別の芸術」 本書は、「アンフォルメル」[*1] の先駆者であるとともに「アール・ブリュット」の名付け親としても知られ…
昨日の投稿では、杉浦康平さんがまるで建築を設計するかのように、造形物として本をデザインしていたことについて触れた。これに関して、平倉圭さんの『かたちは思考する:芸術制作の分析』(東京大学出版会, 2019)は、単にブックデザインが面白いというこ…
先日、スタッフとして関わっているアートプロジェクトの参加者たちと飲んでいる時に、「ハイアートが好きなのに、なんで市民活動(地域の芸術祭)に関わっているの?」と聞かれて、考え込んでしまった。これに関してはまだ上手く答えられないのだけれど、こ…
10月まで諸々忙しかったのだけれど、今月に入って少し休めそうだったので、一昨日から茨城の実家に帰省している。そこで、せっかくならと水戸芸術館の「道草展:未知とともに歩む」と、キワマリ荘/中﨑透美術館準備室(仮)の「Connection Collection」を観…
建築や美術において、制度の外側にある在野の実践や、素人の創造性に興味がある。例えば、新進気鋭の建築家が設計したどんな住宅よりも石山修武さんが『バラック浄土』で取り上げたようなセルフビルドの狂人たちのブリコラージュ的な住宅に惹かれるし、アー…