2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

2020.11.26_Hippie Modernism

書評:「カウンターカルチャーのその後について」──Andrew Blauvelt "Hippie Modernism: The Struggle for Utopia" (Walker Art Center, 2015) * Hippie Modernism : 異なる価値観の緊張関係 本書は2015年にウォーカー・アートセンターで開催された同名の展…

2020.11.25_Aマッソ「トマソン」

Aマッソの加納愛子さんが『イルカも泳ぐわい。』という初のエッセイ集を出した。単独ライブに行くくらいAマッソのファンなので、「webちくま」での連載時から単行本になるのを楽しみにしていたので発売日に買って読み切り、期待を超える面白さだった。岸本佐…

2020.11.24_ナンセンス躁病文化

『文學界 2020年11月号』「総力特集 JAZZ×文学」に載っていた、山下洋輔さんと菊地成孔さんの対談を読んだ。菊地さんが2011年から2018年までTBSラジオでやっていた「菊地成孔の粋な夜電波」というラジオ番組が好きで、(実はリアルタイムで聴いていたのは最…

2020.11.13_文化は人を窒息させる

書評:「文化的芸術への侵入言論」──ジャン・デュビュッフェ『文化は人を窒息させる』(人文書院, 2020) * アール・ブリュットという「別の芸術」 本書は、「アンフォルメル」[*1] の先駆者であるとともに「アール・ブリュット」の名付け親としても知られ…

2020.11.10

日記を初めて今日で10日目になりますが、定期的に投稿しなくても良いように(制限に苦しめられないように)「やりたいときにやる」と言ったものの、謎のやる気が出て毎日書いていたら、次第にしんどくなってしまったので、ペースを落とそうと思います。 最近…

2020.11.09_かたちは思考する

昨日の投稿では、杉浦康平さんがまるで建築を設計するかのように、造形物として本をデザインしていたことについて触れた。これに関して、平倉圭さんの『かたちは思考する:芸術制作の分析』(東京大学出版会, 2019)は、単にブックデザインが面白いというこ…

2020.11.08_疾風迅雷―杉浦康平雑誌デザインの半世紀

修士論文として建築雑誌のデザインに関する研究をしていることから、ここ半年くらい建築のメディアに関する本をいろいろと読んでいる。その中でも杉浦康平さんの雑誌のデザインを総覧した展覧会のカタログ『疾風迅雷―杉浦康平雑誌デザインの半世紀』(DNPグ…

2020.11.07_テープ起こし

3年ほど前からいくつかの編集プロダクションでアルバイトをしている。その仕事の中心はインタビューやトークショーの音源を聞いて文章として書き出す、いわゆる「テープ起こし」の作業だ。何事もゼロからイチをつくるのが苦手で、小さい頃から作文など自由…

2020.11.06_地域アートとハイアート

先日、スタッフとして関わっているアートプロジェクトの参加者たちと飲んでいる時に、「ハイアートが好きなのに、なんで市民活動(地域の芸術祭)に関わっているの?」と聞かれて、考え込んでしまった。これに関してはまだ上手く答えられないのだけれど、こ…

2020.11.05_水戸芸術館とキワマリ荘

10月まで諸々忙しかったのだけれど、今月に入って少し休めそうだったので、一昨日から茨城の実家に帰省している。そこで、せっかくならと水戸芸術館の「道草展:未知とともに歩む」と、キワマリ荘/中﨑透美術館準備室(仮)の「Connection Collection」を観…

2020.11.04_彷徨うコレクティブ

最近、『在野研究ビギナーズ 勝手にはじめる研究生活』(明石書店, 2019)を読んだ。この本では、大学に所属を持たず学問研究をされている「在野研究者」の方たちが自分の研究と生活との関係などを綴っていて、アカデミズムに対する認識の仕方も研究スタイル…

2020.11.03_ゆっくり、いそげ

これまで一緒に小屋をつくったりしてきた友達と「いつかお店を構えたいね」という話をしている。昔から「いつか本屋をやりたい」と思っていて、好きな本屋に行くたびに自分の本屋の選書を妄想している。あるイベントで期間限定の古本屋のようなことをやった…

2020.11.02_素手のふるまい

建築や美術において、制度の外側にある在野の実践や、素人の創造性に興味がある。例えば、新進気鋭の建築家が設計したどんな住宅よりも石山修武さんが『バラック浄土』で取り上げたようなセルフビルドの狂人たちのブリコラージュ的な住宅に惹かれるし、アー…

2020.11.01_やりたいときにやる

「『やりたいときにやる』みたいな名前の雑誌を創刊して、やりたいときにだけやりたいな」とふと思ったのだけれど、やりたくなるのを待っていると一生やらなそうなので、とりあえず日記を始めようと思います。今まで幾度となく雑誌をつくろうとしてきたので…